プロコン活動

この春で2年間続けた東京プロコン塾のスタッフを卒業させていただきました。
自分が塾生として参加した1年を加えて3年、多くの新人プロコンの人と出会いました。
そして折しも自分が独立してからちょうど3年。
自分の思いを振り返るという意味で、改めて長文日記という形でまとめてみました。

<お金を稼げるプロコン>
診断士登録をして10年半。独立している期間は3年ですが、企業内診断士の時代からいろいろ診断士活動してきて、様々な診断士の方に出会いました。
特に独立した2021年はコロナ真っただ中&事業再構築補助金大盛り上がりで一挙に独立診断士(プロコン)が増えたこともあり、さらにいろいろな診断士の方と出会ってきたように思います。
そんな中、年収数千万円をたたき出している先輩プロコンの方が「自分が稼いだノウハウを後輩に伝授したい」とよくおっしゃっているのを見かけます。
それは自分のノウハウをお金にしてさらにお金を稼ぎたいという人もいれば、ただ純粋に自分が先輩にしてきてもらった恩を後輩に返したいというとても素晴らしい想いをお持ちの方もいらっしゃいます。
前者の方は悪い表現をすると「ヒヨコ食い」に当てはまってしまうのですが、少なくともお金を払った人がその価値に値する(もしくはそれ以上)と思っていればそれはそれでよいのだと思います。
逆に言うと、それに合わないのであればとても悪質であるともいえますが。

<年収〇〇万円>
同じく、先輩プロコンから「年収1,000万円稼いで一人前」「まずは年収1,000万円をめざしなさい」という言葉をもらうこともあります。
時には「年収3,000万円」になるとプロコンとして成功という人もいたりして、この二つの数字はプロコンにおいてある意味、成功の指標になっているのではないかと思います。
以前は私はこの年収の話が嫌いでした。「ヒヨコ食いみたいなあくどいことして稼ぎまくって何がすごい診断士だ!」というのがあったのかもしれません。
ただ、独立してみてその気持ちは結構薄れてきています。
自分自身のスキルをもとにして仕事をもらうことがいかに難しいかというのを実感してから、どういう形であれお金を生み出すシステムを自身で構築し、その結果、大きな収入を得ているというのは事業家としてある意味素晴らしいと思います。
また、プロコンに限らず、年収は「その人がどれぐらい仕事ができるのか」「その人の仕事にどのぐらいの価値があるのか」というのを客観的に知ることのできる指標なので、とても分かりやすいのかもしれません。
  
<それでもお金を稼ぐプロコンに魅かれない理由>
ただ、それでも私は「年収4ケタを目指す!」というのにあまり興味がありません。
もちろん明日食うに困るという状況は嫌ですが、独身で多くの家族を養わないといけないという状況でもなく、多くのお金を稼ぎ、高級マンションに住み、高級車を乗り回し、ブランド物を身にまとい…というほどの金銭感覚はありません。
 
めちゃくちゃ稼いでる方から、年収4ケタになるための色んな体験談やアドバイスをもらいます。
それはとてもありがたいと思うのですが、その一方で思うことは、「その人のバックボーンだからできることではないか」「お金を稼ぎたいという想いが強い」からできることなのではと思ってしまいます。
なので、一部共感できるところはあっても、それを実行しようという気持ちが湧きません。
 
それと、もしそれだけ稼ごうと思ったら自分はどのようなビジネスをしないといけないか、と考えたとき、
仮に年収1,000万円以上を目指すとすると、例えば
 
補助金額1,000万円クラスの補助金の申請書を月1件書く
・月10万円の顧問契約を9件
 
といったところでしょうか。3,000万円を目指す場合は、この単価と数量をもっと増やさないといけない。
ただ、この状態が想像できないし、仮にそうなった時の自分の姿にまったくあこがれを感じないんですよね。
 
<自分が大事にしたいもの>
私の仕事の大部分は公的支援に関するものです。
公的支援でサポートする企業は上に書いたような月10万円顧問料を支払ってくれる余裕のある企業はほとんどありません。
物価高騰やコロナ融資の返済など、大変な状況が続いている中、そんな企業はもっと増えてくるのかもしれません。
それを考えたとき、私は月10万円顧問料払ってくれる企業より、自分が大変な状況の中でも一生懸命前向きに事業に奮闘している企業を助けたいという気持ちがあります。
そんな私が一番テンションが上がったのは、先日の支援機関のアンケートでとても良い評価をもらったこと。
「何か相談したいと思ったときに真っ先に顔が思い浮かぶ」と書かれていたのはとても感慨深いものがありました。
たぶん私は自分のやっていることが誰かの必要なことになっているということが一番やりがいを感じるのかもしれません。

<独立4年目>
独立4年目となる来月からは、ありがたいことに今頂いている公的機関の仕事2か所の定期のお仕事が継続になります。いわゆる現状維持。
診断士の飲み会でとある先輩診断士に「定期のお仕事で1週間埋めるプロコンはダメだ」と言われたことがあり、自分の今後の成長を考えたときに来年度の定期の仕事をどうしようか考えた時期もありました。
そんな時に、キャリコンの師匠、ふっきー先生の体験談が刺さりました。
 
「仕事をしていて違和感を感じたら思い切って手放した」
 
言葉にすると当たり前のことだけど、なかなか気づかない。
そしてそれを自分の状況として考えたとき、少なくとも違和感は感じていない。手放したいと思えない。
どちらの仕事も「必要としてくれている人にできる限り自分のできることをする」という想いは変わらず。
なので、一流のプロコンとしては相当回り道だとは思いますが、もう少しこの感覚は大事にしたいというのが今の気持ちです。
 
改めてみるとめちゃくちゃとりとめのない文章だなぁ…。
そしてこれは「プロコンのあるべき姿」というつもりはありません。人によって価値観は異なるので色々な考えがあっていいと思います。
ただ、独立3年という節目を迎え、自分の決意表明を兼ねてこの文章をまとめてみた次第です。
4年目も頂いた仕事を大事にしながら、引き続き精一杯努めたいと思います。
 
追伸:ちなみにこの日記のタイトルですが、HatenaブログのAIサービスを使ったらこのタイトルが出てきました。時代は変わったなぁ…。