ゴール(目的)の設定。  

 

オリンピックがほぼ無観客開催になりました。

私は幕張メッセのフェンシングが当たっていたのですが、観戦叶わず。

ただ、「オリンピックの雰囲気を直で味わいたい!」というのが目的の自分としては、この状況下で観戦したとしてもきっと盛り上がりに欠けるだろうな…と思っていたので、あまり残念に思っていないのが正直なところです。

 

 

若干こうなることを予想はしていましたが、オリンピック開催時期における東京都の緊急事態宣言は、考えうる最悪のシナリオになったのではないでしょうか。

「オリンピックを国民にとって安全安心のある大会にしたい」とおっしゃった方もいましたが、誰にとってもあまり幸せな結果になっていないような気がします。

 

この原因は何なのだろうか?

個人的に思うことは「何を目的するのか、その目的の達成のためにどういうことをする必要があるのか」という考え方が足りてなかったのかな、という気がしています。

 

「オリンピックを有観客で開催したい」ということが目的なのかもしれないのですが、じゃあ「オリンピック開催時期に感染者が増えないようにどうやって感染者数をコントロールするのか」「それに向けてどういう対策をしていけばいいのか(例えばワクチンをどういう人から優先的に摂取していくのかなど)」を考える必要があったのではないでしょうか。

今回の場合、目先の感染者数で場当たり的な対応をしてこの目的を見失っていたのかな、という気がします。

 

私自身、独立してから自分もこの「ゴール(目的)」を見失っていたのですが、とりあえず年度内の目的を決めたらやらないといけないこと、やらなくてもよいことが見えてきた気がします。

とはいえ、今年は「とりあえず何でもやってみる!」というのが目的なのでもう少し迷走する時期が続きそうです。

覚悟と価値観。

東京都中小企業診断士協会の「東京プロコン塾」に入塾しました。
「独立診断士としてのスキルを磨きたい」という目的もあったのですが、私の一番の目的はこれを通じて色んな人に出会いたいということ。
数年前に同協会城東支部の「城東スキルアップ」というプロコン塾に参加して色々と活動の幅が広がったというのもあり、若干高い金額ではあったが申し込みをすることに。
色々とやることは多く大変そうですが、ここ出身の先生は素敵な方が多い印象なので、自分もその方々に近づけるよう、やっていけたらと思います。

 

さて、5月某日、この初回があり、Zoomでのオンラインではあったけど、診断士としてとても活躍されている某先生の講義がメインでした。
その中で一番自分の印象に残っているのが「覚悟」という言葉。

 

かなり長い話だったので詳細までは覚えていないけど、「独立診断士になるという覚悟を持って臨んでもらいたい、そういう意味では年間3,000万円を稼げるようになってほしい」というニュアンスの内容だったように記憶しています。

 

…さて、果たして自分はそんな「覚悟」もって独立できたのだろうか?
少なくとも前回の日記のようにすぐ不安になっている状況からすると、この先生が思っているような「覚悟」はいまだに持っていないような気がする。どうすればそんな覚悟が持てるのか、半月以上経った今でも答えは出ない。
既に独立している人に、当時そういう覚悟があったかどうか聞いてみたいくらい。

 
さて、この先生の後半の話の「年間3,000万円稼げる診断士」について。
約5年前に東京に来て、色々と活動をさせてもらった中で、この「3,000万稼げる診断士」は東京都の診断士業界で、ある種キーワードになっているように感じる(関西で活動していた時はあまり聞いたことない)。

 

ふと、3,000万円を稼ぐことを想像してみる。
毎月平均で250万円の売上を上げないといけない。それを稼ぐためには一体どれぐらい仕事をしないといけないのだろう…。そこまでやって体を壊したらあまり意味がないような…。そういう意味では、実はあまり3,000万円を稼ぐことに魅力を感じていない。

 

 だからと言って、休みも取らずに3,000万稼ぎたい診断士の人を否定するつもりはない。自分の仕事のやりがいを目に見える形にしたいという意味で、収入はとても分かりやすいし、独立して「仕事がなくて何もやっていない自分」が恐怖で「とにかく動いて仕事していたい」という気持ちはとてもよくわかるからです。
これは自分が仕事に対して何を求めたいかの価値観の違い。これはキャリアコンサルタントの勉強で培ったような気がする。

 

じゃあ、自分の仕事に対する価値観はどうなのか?
そんなこと考えていたとある日、家で資料の探し物をしていると、たまたま先輩独立診断士の方の経験談を語っていただいたセミナーのレジメが出てきた。そこに書かれていた言葉で「自分がいくら稼ぎたいか決める」。
稼ぐ金額によってこれからやっていくことが決まっていくようです。

 

自分がいくら欲しいか…。
それを考えると「自分と同じ年代の平均年収」という結論になった。
幸か不幸か、独身で養う家族もいなく、たくさん稼いでも使い道が思いつかないので、自分が食べていけて、時々休みをもらって旅行に行ったり趣味ができるような生活が出来ればそれで充分かな、と。ちなみに今年で40歳になる私と同年代の平均年収は「582万円」だそうです。前職よりかなり高い(笑)

 

どちらかというと自分が独立したいと思ったのは「自分のやりたいことを自由に選べる環境」が主目的。
報酬はどちらかというと優先度が低い。そうなると前半で考えていた「独立するという覚悟」はそんなに大きくなくてもよい気がしてきました。

とりあえず今の私の目標は、来年度に向けて何か公的機関の仕事をもらえるように実績を積むということ。前職の公的支援機関で働いていて「公的機関の仕事」がやってみたいと思っています。
それに向けて、今年に関しては報酬はなくても、何か関連ある勉強(経営革新とか現場改善)をできればと思っている。そう決めると先月抱えていた憂鬱な気持ちが消えていった。

ただ、ちょうど先月は5月。5月病にかかっていたのかなという気がしました。
私の持論、「5月病は6月になったら消えていく」ということを思い出した(笑)

専門性の考察。

4月からフリーになり、2ヶ月が過ぎました。

 

今年の初めごろは意気揚々と色々と考えていたような気がしますが、もともとネガティブ志向が強い性格なので、思っていたことが裏目に出るとかなり落ち込んでしまう。特に5月の下旬ごろは「本当にこのまま続けていけるんだろうか…」と漠然とした不安が。

  

そんな話をちらっとしたところ、独立した先輩方から色々なアドバイスを頂く。

その中で一番印象に残った話が「専門性をきちんとアピールする」ということ。

「専門性」…確かに活躍されている方々は自分の得意フィールドを持っていてそれをうまくアピールして活動されているように思う。

 

さて、そんな自分の専門性。

…なんなんだろうか?

どちらかというと「広く浅く」生きてきた人生だったので何が専門性なのか?

とても悩ましい。

 とはいえ、「何でもできます! やらせてください!」という診断士は自分も頼みたくない。

そこで、自分が今後アピールしたい専門性について、ちょっと視点を変えて考えてみることにしました。

  

①自分が(他の診断士より)少しでも上手くできること

  昨年度は前職で東京都の経営革新計画の申請支援の担当をしていました。申請希望企業から受付を行い、審査会で通るための内容にするためのブラッシュアップや、審査会での代理プレゼンなんかもやっていました。

 何も考えずにひたすら申請を受け付けていたら、1年間で106件の申請をやって、1件も不承認・保留を出すことなく終えることができました(かなり危なっかしいものはありましたが)。

 色々と過去の資料を漁ってみるとこの件数をやったことのある担当者はいなく、当時では歴代最高件数だったようです。これは他の申請機関の方々にも知れ渡ったようで、今まで会ったことない人から「ああ、あなたがOさんですか…」と言われるぐらいの有名人に。

 そういう意味では普通の診断士よりは経営革新計画については強者ということは思っていただけているようなので、この知名度と数値実績を使えば、自分の専門性にしてよいのでは…と考えました。

 そして経営革新分野は、VUCAの時代の中、事業再構築の必要性が高まっているところから、今界隈で盛り上がっている事業再構築補助金が終わったとしても、私は今後ニーズがある分野かと思っています。

 

②自分がやりたいこと

 もともと私が診断士になろうと思ったきっかけは新卒後に入った中小メーカー(A社)で、現場改善プロジェクトの担当になったのがきっかけだった。

当時のA社はちょうど2代目から3代目に社長が移行する時期。

3代目社長(当時は取締役)がとにかくコンサルタントが大好きで、生産管理システムや人事評価、新卒採用に至るまで色々なコンサルタントを使っていた中、現場改善でも某民間コンサルタントの人が月に1~2回、現場巡回をしながら現場改善活動の指導を行っていまし。

 現場の方々の協力もあり、一定の成果は出たのだが、コンサルタントの方が現場の状況より数値重視の指導が多く、現場の方々よりも経営陣の顔色をうかがっていた気がしていた。最終的に経営陣の思った結果が出なかったのか、中途半端な形で終わってしまう。

  今にして思えば「そりゃそうだよな」と思いますが、当時、入社2年目でこんな形で終わってしまってモヤモヤした記憶が。

 そんな中、まだまだ経験不足の私を色々と助けてくれたのは現場の方々。なので私は製造現場の一人一人が面倒くさい作業をせず、楽しく仕事をしてもらいたい。という想いが強い。

 

 しかし、その思いをかなえるためにはあまりに知識不足だった。(もともと理系、しかも栄養学出身)。

そこで、少しでも役に立てるように何か知識を身に着けたいというところからおぼろげに「中小企業診断士」という資格を見つけたのがきっかけだったように思う。

  

その後、このA社を含めて3社の製造業の生産管理を担当してきましたが、どこの現場でも現場の方々に助けられて今に至るように思います。

 だから、私はとにかく現場の環境が良くなるような支援をやっていきたい。原点はきっとそこにあるのではないか?

  

また、せっかくキャリアコンサルタントの資格も取得したので、現場の方々が生き生き仕事をするために、どういうキャリアプランを立てていけばよいか、そういうお手伝いもできたらいいな、というのも最近感じています。 

 

 

これが本当に自分の専門性なのか?というのは疑問が残るけど、いざ決めてみて感じたのは、「じゃあ、何をインプットしていかないといけないのか?」ということが明確になったのはよかった気がする。

最終的に「あなたならこの分野を任せられる!!」というのを見つけていくのが目標ですが、それは一つ一つのことを確実に片づけ、焦らず探していきたいと思います。

コロナ禍とアトキンソン理論。

秋休みで神戸帰省。
このタイミングで行きたかったところに向かうというのが今回の目的なのですが、その目的の一つが、以前よりお世話になっている研究会のセミナー。
 
経済産業省の方をお迎えして中小企業の動向や今後の方向性などをお伺いすることができました。
そんな今回のセミナー。
2つの点について改めて考えさせられました。
 
その1.コロナ禍。
今年の流行語にもなりそうなこの言葉。
世界中で大きな影響を与えていることもあり、世間では未曾有の大災害のように扱われていますが、よくよく過去のデータを紐解いてみると、
 
・今まで感染症パンデミックなどはたくさんあった。
リーマンショック等の金融恐慌よりは経済に深刻な影響は与えていない。
(すでに回復基調に乗り出している?)
 
そしてコロナ倒産は確かに多くなっていますが、本当にコロナのせいで倒産したのか?
コロナは単なるきっかけでそもそも経営基盤があぶなかったところが倒産したのであって、実は企業の新陳代謝を促しているのでは?、と最近考えています。
 
実際にコロナ禍は悪いことばかりではなく、新たな需要を掘り起こしていることも事実です。
ZOOMなどのオンライン会議ツールはコロナがなければここまで大きな市場になっているはことなかったと思います。
菅総理大臣になってからデジタル化に舵を切りはじめていますが、少なくともコロナ禍もその後押しをしているのではないか、そんな気がします。
単に「コロナで業績が落ちた…もうどうしようもない…」と思うのではなく「コロナでどんなニーズの変化が起きたのか、それに自社の商品・サービスにどう活かせるか?」と考えられるかが企業が生き残るか否か、と思います。
 
その考えを表してくれた、今回のセミナーで出たキーワードが「ダイナミック・ケイパビリティ」。
企業変革力と翻訳されるこの言葉は「不確実性が高まっている現代社会の中で、いかに状況を見極めて自身を変えていける能力」といった意味でしょうか。
この力ってとても大事なのではないか?
 
コロナ以外にも地震や風水害、法令やモラル違反による世間の厳しい目など、何がきっかけで企業が傾くかわからない世の中になっています。
こういった時代だからこそ、普段から様々なことを想定し、どう乗り切るかという想像力、判断力は必要なのかな、と思います。
(それを一緒に探してあげられるような支援ができればなぁ・・・)
 
その2.アトキンソン理論。
先日の日記で書いた「日本の労働生産性は低すぎる! これからは中小企業の数を減らしてもっと生産性を向上させるべき!」というデービット・アトキンソンさん理論。
この話をした時はあまり現実味がなかったのですが、このアトキンソン理論を支持しているとされる菅さんの総理就任で一挙に注目されているようで、うちの社長も「今後の動向は必ず確認するように」と言われているほど。
 
中小企業支援機関にとっては「中小企業の数が減る→存在意義が問われる」ということで、社内では危機感をもっている人もいるようですが、前回の日記に書いてあった通り「自分で努力をしない企業を手助けする必要はあるのか?」という考えはいまだ頭の中に残っています。
また、このセミナーにいらっしゃった中小企業の経営者の方が「中小企業が多いと大企業への営業の時に不要な価格競争が発生するから、中小企業の数は減らした方がいい」というご意見もあったりしました。
 
とはいえ、なんかこのアトキンソン理論は少し違和感があって気持ちが悪かったのですが、その違和感の正体の末端が出てきたように思います。
それは「経済の多様性」という問題。
 
そもそも日本経済は様々な中小企業がそれぞれ強みのある技術を伸ばし、それを組み合わせることによって高度な製品を生み出してきたからこそ発展してきたのではないか。
だから数を減らすということはその強みの源泉を失っていく可能性があるのでは?と思います。
また、会社の規模が大きくなるということは、その分様々なリスクに晒されることになります。
先述しましたが、ただでさえ先行きが読めない世の中、何かのきっかけで独占的な技術を持っている企業がなくなってしまった場合、産業に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。
企業数を減らすことは社会活動におけるリスクが上がってしまうのではないでしょうか。
 
また、アトキンソンさんは「中小企業を減らすことで失業者は増えるが、その分大企業は人手不足になるから仕事がなくなることはない」とも言っていますが、ただ「失業した中小企業の正社員を大企業が正社員として採用するか」という問題が発生します。おそらく今の流れだと景気に合わせて調整が聞きやすい非正規雇用での採用になると思います。
正規雇用のすべてがダメというつもりはありませんが、一般的な話で考えると、正社員と比べて生活はかなり不安定になる可能性があります。
これで生活が不安定な人が増えていくと、結果的には日本全体の経済力に大きな影響を与えるのでは?という気がしています。
 
私の理想的な解決方法としては、自分の力で何とかできる企業の割合を増やして、「自助・共助・公助」がバランスよく効果を発揮できる政策があればいいのになぁ…と青臭いことを思ってしまいました(笑)
 
そんなことを考えさせてくれた今回のセミナー。
自分の中でもやもやしていたものを少し晴らすことができ、よい休日になりました。

「画期的」とは。

「うちのサービス(商品)は今までにない画期的なものなんです!!」
 
申請書を見るとよく見かけるこの文言。
これを見るたび、性格がねじ曲がってる私からすると、

 

「今までにない」ってのはそもそも必要とされてなかったからではないのか?

 

そもそも「画期的だ!」と思うのはサービスを受ける側が感じることで提供する側が言うことではないのではないか?

 

そんな見方をしてしまいます。
そしてこれを前面に押し出しているものに限って具体的にどう画期的なのかが説明されておらず、「これのどこか画期的やねん!」と心の中でツッコミを入れつつ、「もっと具体的に書いて♡」と依頼する日々。

さて、そんな頭を悩ませるこの「画期的サービス」とはどういったものなのか?
 
この疑問の答えを考えていたところ、いいタイミングでうちの会社でこの答えのヒントをくれそうなシリーズものの講座をやっていたので、担当の方にお願いし、後ろでこっそり受講させてもらえることになりました。

色々と考えるヒントを頂き、自分の中での暫定的な「画期的なサービス」の定義。

 

「特定の事項で悩んでいる、もしくは欲している人に向けて、その人たちのニーズをガッチリ掴んだサービス」
 
どういう人をターゲットに、どういうニーズに対して、どういう方法でその欲求を満たす(もしくは悩みを解決できる)のか?
マーケットインにしても、プロダクトアウトにしてもこれがきちんと成立してないとサービスとしては成り立たないのではないか。

そしてもう一点「そういったサービスの付加価値をきちんと言葉にできるかどうか」ということも大事。
頭の中ではものすごく良いアイデアがまとまっていても、それをきちんと言葉にできないようでは意味がない。

特にモノと違い、サービスは目に見えない分イメージしにくい。
これが意外とできてなくて、話を聞いている中で気付くということが多い。

(まぁ、これは自戒の意味もありますが)
画期的なサービスを考案するためにはなおさら欠かせない要素だと思います。
 
そんな気付きを与えていただき、久々にとても良いインプットが出来たように思います。
ちなみにこの講座、コロナの影響もありZOOMを用いたオンライン開催だったんですが、ZOOMをこの定義に当てはめると、
「コロナ感染が怖くて人の集まるところには行けないけど、相手の顔を見ながらコミュニケーションが取りたい、という人のために、オンラインでの会話を可能とすることでその欲求を満たしている」とところでしょうか。
そういう意味ではZOOMも画期的なサービスなのかもしれませんね。

弱者に手を差し伸べるべきか否か。

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。」
 
ダーウィンが言われたとされる名言。
(実際は本人は言っておらず、その後別の人が別の解釈を加えたという話もあるけどそれは置いといて)
 
最近コロナ禍でこの名言の意味を痛感。
未知のウイルスの想定以上の感染に対し、対策を施して対応した者が生き残る。
これは人間だけでなく、企業に関しても同じことが言えるように思います。
 
感染症だけでなく、地震台風といった災害など、企業を脅かす事象がいつ起きるかわからない世の中、こういった事態を想定して柔軟に対応できるかが、企業存続のカギではないでしょうか。
(そういった意味で、私は危機管理対策は中小企業が今やらないといけない最重要課題だと思ってます)
 
さて、今回話題にしたいのは「こういった変化に耐えられない企業に手を差し伸べるべきなのか」という問題。
 
なぜこの話をするのかというと、先日うちの社長から夏休みの課題図書的な本をススメられたのがきっかけ。

国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか (講談社+α新書) | デービッド アトキンソン |本 | 通販 | Amazon


アナリストとして活躍してきた著者が、今後の日本の中小企業施策に対しての提言的な話をまとめていて、下手な自分なりに要約すると、「これから確実に人口減少していく日本において、日本の生産性を上げていくためには今まで手厚い支援をしてきた中小企業(特に零細企業)の数を減らし、中規模企業に資源を集中させることで生産性を上げていく」という内容。
(まとめ方下手くそなので詳細知りたい人はぜひ買って読んでみてください)
 
この提言については極端過ぎる感じがして共感できないんですが、ただ「すべての企業に一律に手厚い支援をするべきなのか?」というところは一定の理解ができます。
 

例えば経営相談の電話でよくかかってくるこの2つ。


Aさん「1〜2ヶ月収入がはいってこなくて、このままだと明日には首をくくらないといけないんです…。 何とかしてください! あ、お金は借りたくないので支給金みたいなやつとかないですか!?」
 
Bさん「今コロナで収入が激減してる中で生き残るために、こういった事業をしようと思ってるんですけど…何か補助金とかの制度ってありますか?」

 

両方とも「金銭面で何か支援してくれるような制度ありますか?」という内容。
ただAさんの場合、批判覚悟で言うと「変化に対応しようとする努力をせず、ただ他人に助けを求めているだけ」という感じ。
一方Bさんは「自分なり変化に対応する術を考えていて、それについてサポートして欲しい」という感じ。
 
個人感情だとBさんを応援してあげたくなりますが、今の日本の中小企業施策は平等性の観点からAさんもBさんも支援するという方向性。
Aさんの場合、これで持ち直してもまた不測の事態が起きたらまた助けを請うだけなのではないか。(ゾンビ企業みたいな感じ?)
長期的な視点から考えるとAさんの支援に振り分ける資源をBさんの支援に活かした方が今後の日本経済にとっては良いのではないか?
そんな気がしています。まぁ、実際はこの企業の線引きをするのが難しいかもしれないですが。
 
「一生懸命頑張ってる企業を応援したい」というのは誰もが思うこと。
そう思ってもらえるよう、普段から様々な事態に対して、真摯に取り組む姿勢が大事なのではないかと思う。
それは企業だけでなく人でも同じことが言えるので、自分も物事に真摯に取り組むべき、というのを改めて感じました。

経営革新計画と診断士。

この4月から仕事で経営革新計画に関わることになりました。

いろんな業種の企業の新たな事業計画書を拝見し、僭越ながらアレコレ意見を述べさせていただくという恐れ多い仕事です。

ただ、2013年の秋に診断士の資格を取って以来、「何か診断士の資格を活かせる仕事がしたい」と思っていたので、そういう意味では理想的な仕事なのかもしれません。

とはいえ、急にアウトプットの仕事になり、圧倒的に知識のインプットが不足している感じがしている今日この頃。

コロナが落ち着いたら何かスキルアップ講習的なものを受けようかなと思案中。

 

さて、このお仕事をしていると、診断士の先生が窓口になって代わりに申請書を提出する、なんてことがよくあります。

診断士ともなるとさぞかし立派な申請書を送ってくれるだろう…と思ってみると、案外そうでもない。SWOT分析とかいろんなデータを載せてはいるんだけど、「結局何が言いたいんだ…?」と思うような内容。

必ずしも診断士の資格を取得したからすごいというわけではないんだな、というのを改めて実感。

 

そういえばこの申請書のアドバイス、どことなくキャリアカウンセリングに似ているな、と思うことがあります。

企業がどういう強みを持っているのか、今後どういうことをしたいのか、それをうまく伝えるために申請書にどうアピールさせれば良いのか、申請書の内容や相手の話を聞きつつ探っていくとか、個人が企業に置き換わっているだけで使うスキルは同じなのかなと思います。

 

まぁ、せっかく頂けたこの仕事、楽しみながらスキルアップにつなげていけたらな、と思っています。